ミッドタウンで行われている
DESIGN TOUCH Conference 、
「月と暮らす〜旧暦講話と折形「兎の黄粉包み」〜」へ参加してきました。
以下メモまとめ。
LUNAWORKS 代表 伝統文化コーディネーター 高月美樹さんのお話
・現在「旧暦」と言われているものは天保歴だが、少し違うところがある
(Wikipediaによれば、
現在の旧暦で使っている時間帯は日本標準時(UTC+9)で、
これは東経135度の平均太陽時はとほぼ等しい。
これに対し京都の経度は東経135度46分で、UTC+9:03に当たる。
さらに均時差により最大±15分の時差が生まれる。
また、天体の位置も天体力学(位置天文学)に基づく式で計算している。
このため、江戸時代の天保暦によって計算した日付と現在の旧暦とでは
、日が1日前後したり月名が変わったりする場合がある。
とのこと。)
・現在の1月、2月に旧暦の月を当てはめていることがあるが、
本来、卯月は3月ではなく初夏(5月位)、文月は秋である。
・立春に一番近い新月が元旦
・冬至が0時で始まり。立春は睦月2時(だいたい2月位だが1ヶ月ずれたりすることも)
・「弥」ますます盛んになるという意
・干支の動物は分かりやすくするために後から入れたもの
・二十四節気はだいたい2つが1ヶ月に入るけど、
細かいルールに酔って必ずしも入らない場合もある
・天文学的には正確だが、現代の我々がきちんと把握するのは難しいので、
季節感を確かめる参考にするとよい
・昔の人は月を見れば今日が何日か分かった
・江戸時代、商売が盛んになり、
ひと月が何日であるのか把握する必要が出て来た
・30日ある月を「大の月」、29日の月を「小の月」という大小(暦)。
・どの月が大の月か小の月かのカレンダーが大変流行った。
豪商が絵師につくらせて配布したり。

(左)千社札 猿の絵(猿年)、鳥居(翌年が酉年であるという洒落)
(右)小袖のひな形

(左)盛岡絵ごよみ 文字が分からない人にも分かるように 語呂遊びが利いている
(右)伊勢ごよみ 伊勢の陰陽師がつくっていた、お伊勢参りのお土産として流通
・カレンダー大国だった 江戸時代流通していたカレンダーは450万部と言われる。
そのうち200万部が伊勢ごよみだった。
・一日(朔日、ついたち)は「月立ち」が語源
・万葉の時代は畏敬の念があるのかあまり歌では月は詠まれない
古今和歌集のころから月を愛でるものとして歌に数多く登場する
・与謝蕪村は月の歌を沢山詠んでいる
・西洋では月を題材にしたものはあまりない
・日本人は完全に丸いものよりも少し欠けているものに
情緒を感じるのではないか。月の前半よりも後半の方が名前が多い
・それぞれの月に応じたお菓子を食べる
例えば、水無月(疫病が流行りやすい)に祓えとして
ういろうを食べるのもあずきで滋養をつけるという理にかなった行為
・「花」は春の季語、「花の」は秋の季語
・片見月 十五夜と十三夜どちらか片方の月見しかしない
平安貴族の嫌う行為
・1年は虎から始まり、兔は春分(如月)朝6時頃、
隆盛していくという意味で吉兆の動物
(ササン朝ペルシアでは翼の生えた兔の描かれた壷、聖徳太子の曼荼羅、
徳川家では正月に兔肉のお吸い物を食べた)
・月で餅つきをしている? (※1)
中国では、兔が月桂(不老長寿の薬)をつくっている 桂と蛙も描かれる
なぜ日本では餅をつくことに…?餅を神事で使うから?丸いから?
・引用五行に於いて月は水、兔も水なので日よけのまじないとして使われた
・満月=玉 玉兔とも 真珠も月の象徴
・白玉=月のミニチュア 月のパワーを頂く
・日月文様 日を鳥(鳳凰・烏)、月を兔で表す
・太陽は金色、月は銀色
・お菓子の「最中」波で月日を数える 15日=最中
・中国では中秋の名月に月餅を食べる
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折形デザイン研究所 主宰 有限会社山口デザイン事務所 代表 山口 信博さんのお話
・折形とは、室町時代に確立した武士の作法 有職故実
贈り物を紙で包み、水引で結んで熨斗をつけて送るという礼儀
・熨斗 のし袋の右上についているモノ
元々はアワビをのしたものが添えられていた
・後々、「のし」と書かれるだけになったり、
「のし」の文字が似ているからとわらびの絵になったり
・「兔の黄粉包み」 折形のひとつ
月見のときにお供えするきなこを包んで差し上げる
・きなこ、胡椒等は滋養が高い貴重品であった (薬に近い)
・いろんな形のこな包みがある
開けなくても中身が分かるように(こぼれちゃうので)
アイコン的役割でもあった
・「真」「行」「草」目上の人に差し上げる等で格が異なる
・折形をつくるポイント 正方ふち紅紙/手口を清める/
二重三角(粉上のものはほとんどこれが原型)
・「折り目正しい」という言葉があるが、
和紙の特性と武士の精神がマッチしたのかも。
・※1の話を聞いて、きな粉包みを兔の形にするのはなるほどだ!
・中国から入って来たもの、元々あった意味のものが転化していく、
変えて取り入れる
それが財産であると思う。その知恵や思いを現代に取り入れたい
・水引を「結ぶ」 結びという言葉…こけむす、おむすび、男女のむすび
男女の結びから”むす”こ、”むす”めが生まれる
結ばれたもの→何かを生み出す 水引で結ぶと、
その結んだものもその力を持つと考えられていたのでは
・同じく包み、にも 堤(土手)、つつみ(太鼓)、慎む…も
表にしないというところから深い意味があるのでは
・熨斗は600年前から続く作法。折口信夫が「生活の古典」と言う様な、
形骸化しているが続いているもの。
やめられないのはなぜか。
歴史の中に込められた知恵・思いを知らず汲み取っているから?
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非常に興味深いお話でした。お二方、関係者の皆様ありがとうございました。
キンモクセイの香りがすると、「もうそろそろ寒くなるね」という
会話をしたりするように、季節感を感じるための旧暦っていいなぁと思いました。
熨斗の話を聞いて、なぜか突然、
サンリオで買い物すると袋に小さなオマケをつけてもらえたことを思い出しました。
いまでもつけてくれるのかなぁ。
小学生のときはそれがとても楽しみだったなぁ。
もし熨斗の精神が生きているのだとしたらスゴイ…
しかしモノや言葉の由来っておもしろい。
今みたいにモノも娯楽も情報も溢れていないから、
ひとつひとつを丁寧に感じていたのかな。
だから洒落もとても聞いているのかな。
その心は大切にしたいなぁ…
常々思っていたけれども、更に強く思ったイベントでした。
楽しかった!

これが兔の黄粉包み 折り紙の要領でつくる